小噺6:自殺の形

ミヤ氏の小噺短編小説

昨今話題に上がる「自殺」。
これが何故、流行っている、なんて言われているか、ご存知でしょうか。
確かに過剰なメデイア報道もまぁ原因ではあるのですが、あまり知られていない理由、これをお話いたしましょう。
まず、皆さんが「自殺」という言葉を聞いたとき、思い浮かぶ形、つまり死ぬ方法はなんでしょう?
飛び降りや薬、まぁ他にもあるでしょうが…「首吊り」が一番想像しやすく、分かりやすい「自殺の形」ではないでしょうか。
実は「自殺」が流行るのもこの形が原因なのです。
大きな樹の枝や柱から太めのロープを吊し、輪っかを作り、そこに首を通す。そして、そのまま、体重をかける。
これほどシンプルに「自分を殺す」方法もないでしょう。
昔、恐怖や暴力で統治していた人間は、法に背いた人間を逆さまに吊るし上げて広場に晒していたりしましたが、あれは足を上に向ける為に、自らを殺していたようには見えませんので、形は似ていますがお間違えの無いよう。
話がずれました。
そう、形。
一本のラインと一つの輪っか。
どこかで見た事ありません?
そう、催眠術なんかで、五円玉に紐を通して、目の前を右に左にゆーらゆら。
そうしてまやかしの夢を見る。
それと似た原理なのです。
「自殺」という言葉を目にする度、「自殺の形」を思い出す。
何度も何度も、何度も何度も。
それが同じような催眠効果を持つのです。
「自殺の形」は何ともシンプルですから、簡単に見えるのですよ。
実際簡単ですし。
そこに、現実への不満があれば、その簡単な逃げ道に行くでしょう。
実行する時は、半ばトリップ状態。
そして、あっさり首を吊る。
お分かり頂けたでしょうか?
この現代に蔓延る、不可思議な出来事の起因たるや。
そうそう、自殺をなさりたい方に、一つ御忠告を。
首吊りは、やめた方がいいですよ?
体内の内容物を全て垂れ流し、まして、舌は伸び切った、それはそれはひどい有様になりますからねぇ。
綺麗に死にたいなら、年齢を肌に重ねた「老衰」で安らかに死んだ方が、マシだとは思いますよ。

2007-01-16

黒い羊小屋

二次創作では「くろひつじ」名義で活動しています。

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