ゆめくい

ショートショート短編小説

彼女はとても眠るのが好きらしい。
僕は何度か彼女の前に現れたけど、彼女が瞳を開いて笑っている様子は一度も見たことがないんだ。
真っ白な服を着て、真っ白なベットの上で彼女はいつも眠っている。
夢を食べる獏の僕は、いつも彼女の夢をご馳走になる。
彼女の夢はすごいんだ。
とっても血腥くて、恐怖と絶望がとっても素敵なハーモニーを奏でている。
そう、とても可愛らしい顔からは想像出来ないくらいの、真っ黒な味。
そうゆうのが好きな僕は、とても嬉しかった。
ある日、彼女の元へゆくと、彼女が瞳を開いていた。
彼女の目は真っ黒で、何もなかった。空っぽだった。
「あなたが、私の夢を食べてくれているのね。いつもありがとう」
彼女の身体をよく見たら、包帯だらけだった。
うっすらと血の色が滲んでいた。
「これからもご馳走になるよ」
僕はそう言って、瞳を閉じた彼女の夢を食べる。
これからも彼女の夢を食べ続けよう。
その日の夢は少しだけしょっぱくなってしまった。

2007-02-12

黒い羊小屋

二次創作では「くろひつじ」名義で活動しています。

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