カランからん

ショートショート短編小説

ガタンゴトン
からカラからん
右に左に音たてて
僕はリノリウムの床に寝そべって
床の下から聞こえる音に流される
ガタンがたんゴトン
からんカランからん
乾いた音で床を這う
見上げれば
天井からまぁるい輪っかが幾本も吊り下がり
右に左に揺れている
ガタンゴトン
カランからん
僕は何処に行くのだろう
空っぽの僕は
たまに蹴られて飛んでいく
何かを保管するモノだったはずだけど
もう忘れちゃった
がたんゴトンがたん
からカラから
僕の理由なんて
忘れた時点で無いだろう
だったら
この箱の端まで
行く事くらいはやってみたいな
あれ?
目の前の壁が横に動く
冷たい
コレは風
知ってる
壁の向こうは
*****
右に左にからカラから
がたゴト揺れる電車の中
誰かが捨てたフィルムケース
軽い音が車内に響く
空っぽなのだろう
じゃあ、僕と同じだ
狭い世界で左右にもがき
少しずつだけど
車両の後方から先頭へ移動している
どうやら、同じじゃないようだ
誰かに蹴られて
ドアの前
降りるついでに足先で
外に出そうな彼を内に戻す
彼のキモチは分からない
ただ
何となく
彼には終点まで行ってほしいな

何となく

2006-12-15

黒い羊小屋

二次創作では「くろひつじ」名義で活動しています。

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