25枚め
古い傷を抉るような、そんな思い出の思い出し方。
痛くて泣いても、誰も気付かない。
何が、
どうして、
こうなったのか、
誰も知らない。
誰も気付かない。
私も知らない 夢の中。
◆
暗い暗い追憶。
血が見たくなるような追想。
陽だまりは好きだけど嫌い。
闇の底は好きだけど嫌い。
眩しいから。眩しくなるから。
痛みと傷みと悼みは同じ。
陶酔か、狂気か。
よく分からない。
◆
切り離されたのは世界の方。
世界なんてものは結構あっさり手放せる。
概して、世界が自分を手放したと考えると暗くなるものだが、
自分が世界を手放せば、問題はない。
何せ、要らない世界なのだ。
それは、何かをする世界であったり、
何かを得られる世界であったり。
それらは時折牙を剥く、嫌なものだ。
どこの世界も似たようなものだ。
変わらない。
ならば、嫌な順に手放せばいい。
特に嫌な思い出のある世界から、順番に。
それだけのことだ。