小噺1:チリバコ
さて、皆様、日々をせかせかとお過ごしになる皆様、初めまして。
ミヤというけったいな話し手の話ではございますが、まぁまぁお聞きください。
皆様、不要になったものなどお持ちではありませんか?
こちらに「チリバコ」がございますので、よろしければ捨ててください。
さて、この「チリバコ」
それは元々はゴミ以外の別の物を入れておく箱であったわけです。
「散り箱」とも言われておりましたね。
散り散りに砕け散った物を、とりあえずひとまとめにしておく場所、とでも言いましょうか。
例えば、もう復縁など到底に出来そうもない人間関係とか、
大喧嘩のきっかけになった大切な約束とか、
遠く幼い頃に実現しようと思っていた夢とそれに対する熱意とか。
ほんの少し前なんですが、その散り箱に希望を棄てて行った者がおりましてね。
困ったもんです。
散り箱の中身と希望が一緒になると、ミレンガスが発生してしまって大変なんですよ。
なので皆さん、希望を棄てる際にはくれぐれも散り箱には棄てませんよう、ご注意ください。