朝寝坊

ショートショート短編小説

やれやれ、今日もか。
まぁ今の時季は寒いからなぁ。
いつまでも暖かい布団の中でぐっすり眠っていたくなるよなぁ。
うす暗い空に向かって、煙草の煙がゆらりと昇る。
少しばかり風が出てきた。まだまだ朝は寒い。
上着のチャックを上げて、マフラーを巻き直す。
どのくらい待てばいいだろうなぁ。
水平線が一望出来る、港の桟橋で、遠くに架かる大きな橋を眺める。
水平線の少し上には雲がどかんと陣取っている。
反対方向では、赤い月がビルの向こうにゆっくり沈んでいくところだった。
ふと見上げた空が白み始めた。
お。
大きな橋の方、橋の奥から、あいつが顔を出し始めた。
やっとお目覚めか。
この時季は寒いから、仕方ないよな。
三脚にセットした一眼レフを覗き込む。
まだ寝ぼけ眼のようだが、こんな瞬間が結構イカしてる。
「おはよーさん」
あいつに向かって、シャッターを切った。

2007-03-07

黒い羊小屋

二次創作では「くろひつじ」名義で活動しています。

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