冷たい夜空の下で

ショートショート短編小説

星が瞬いていた。
まるで、私達に話し掛けているようじゃない?
そう言った私に、
星が煌めくのは、上空の風が強いからさ。
と、つまらなそうに貴方は答えた。
吐く息は白い、寒い夜。
よく晴れた、月の無い夜。
冬の夜空は綺麗だから、とベランダに引っ張り出したけれど、貴方はすぐさま暖かい部屋に引き返した。
そんな様子を背中で見ながら、私は星空に手を伸ばす。
あぁ、掴めそうなのに。
例え掴めたとしても、すでに燃え尽きて、無くなっている物なのに、ね。
あまりにも綺麗に輝くから…。
星に手が届かないのは、そんな現実を見せないための、優しさなのだろうか。
貴方が部屋を出ていく音を背中で聞く。
燃え尽きた星でもいい。
失われた愛情でもいい。
この手に握り締めていたい。
星空に手を伸ばす。
手に入れてはいけないのでしょうか。
星空に手を伸ばす私を、貴方が、滑稽だ、と笑った気がした。

2007-01-11

黒い羊小屋

二次創作では「くろひつじ」名義で活動しています。

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