宛先

ショートショート短編小説

面倒臭がりな私は、自分のメールアドレスを電話帳に登録している。

友達に教えたりする時、管理者情報とか、携帯をいちいち弄るのが面倒だから。
登録者名は「じぶん」にしてある。

ある日、「じぶん」からメールが来た。

内容は
「死にそう」
と一言だけ。

気味が悪くてすぐ消した。

数日後、酷い風邪をひいて寝込んだ。

友達から
「大丈夫?」
とメールが来た。

私は熱で朦朧としながら返信した。

すると数時間後にその友人が
「返信が来ないから心配で来ちゃったよ」
と見舞いに来た。

誰かに間違えて返信したのかな、と携帯の送信履歴を見たら「じぶん」宛てに返信していた。

内容は
「死にそう」
と一言だけ。

2007-01-29

黒い羊小屋

二次創作では「くろひつじ」名義で活動しています。

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